アルトサックス Yamaha custum YAS 855

日本のサックス奏者菊地康正が、30年に渡り、ライブ、レコーディング、指導に愛用してきた楽器です。 数年前に全面オーバーホール済で、その後もまめにメンテナンスされているのとプロ奏者が長年吹きこんだ抜群の抜けの良さと、音の良さ、それに良いピッチの癖が付いているので価値の高い1本と言えるでしょう。 今回販売にあたって、信頼できるリペアのもと、必要なパッドの交換、調整を行っているので、安心して購入下さい。 ヤマハは大きく二つの系統があり、剣持さんによるプロモデル→現在のカスタムZ、そしてもう一つが、平舘さんという優秀なデザイナーによるカスタムシリーズです。 カスタムシリーズには、30年前に発売され、細管855モデルと、太管875モデルがあり、世間的には875モデルが名器との評判が高いですが、僕は断然855ファンでした。理由は音のコンパクトなまとまりと密度で、ジャズのコンボや、ロック、レコーディングなどにはその音のまとまりと密度がものを言います。 さてこの楽器はプロ奏者菊地によって、多くのカスタマイズがされています。 購入直後に、平舘さんのアトリエを訪ね、この楽器の開発のご苦労をお伺いしました。海外を含む100名以上のプロ奏者から意見を聞き、１０種類以上の試作品を作ったうえで、評判の良かった2種を以上に投入したとのこと。 菊地個人の要望として、G#と中央Dが少し音程が甘い件に対応して、平舘さん自身の製作の、音程調整リングが2か所、ホールに嵌っているので、市販の同機種より音程が良いです。世界に1本の楽器です。 その後菊地の人間工学的視点から、なるべくストレスのない演奏を目指して、キーの位置やストラップ用フックの位置の調整を行いました。 サムレスト、サムフックは、イケベ楽器のオリジナルパーツ、黒檀製に置き換えてあります。木管を思わせる艶のある響きになります。 ネックはゴールドプレートに置換、古い楽器故細かい、傷は多少有りますが、楽器は奏者の癖が付くもので、ちゃんと鳴らせる奏者の楽器はその鳴り方と、良いピッチの癖が付いているものなのです。 その価値の解る方にお譲りしたいと思います。使い込んだシャイニーケースとケース用ストラップは付属しますが、サックス用ストラップほかマウスピースなどは付属しません。